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【ネタバレ感想】ダンケルクがつまらない3つの理由

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第二次世界大戦の初期、フランス北部の港町ダンケルクに追い詰められた英仏連合軍40万人を救出するために決行した史上最大の撤退作戦(ダイナモ作戦=ダンケルク大撤退)を描いた史実に基づく戦争映画なんですが、賛否両論ある中で僕はつまらないと感じました。その理由は…

 

 

ネタバレ「ダンケルク」がつまらない3つの理由

 

 

交錯する時間軸

 

1つ目の理由は最も大きいのですが、
時間軸をバラバラにして物語を構成してることから、
頭ん中が混乱してうまく整理できないんです。

 

 

 

Dunkerque Japanese poster

 

 

物語は大きく3つのパート(3つの視点)に分かれて構成されていて
そして、同じ1日の出来事として描かれるのに、
それぞれの時間配分が違うんですよね。

 

 

具体的には次の通り。

 

 

  • 祖国に帰りたい若きイギリス兵トミーの視点(防波堤が舞台/1週間)
  • ダンケルクに救出に向かった民間船の船長ドーソンの視点(海の上/1日)
  • 英国空軍戦闘機スピットファイアーのパイロットのファリアの視点(空/1時間)

 

 

40万人の英仏連合軍が港町ダンケルクに追い詰められ、
防波堤から次々と船に乗り込んで祖国に撤退することが物語のベースなんだけど、
陸海空における状況がめまぐるしく入れ替わるんです。

 

 

そのうえ、時間軸は視点が変わるごとにそれぞれの状況も違って感じるから、
物語がまるで後戻りしたかのような錯覚にも陥っちゃいます。

 

 

例えば、戦闘機にとっては1時間しか経過してないのに、
映画的には入れ替わり立ち替わりで空中戦が挿入されるので、
時間が左から右に単純に流れてるものだとしたら、

 

 

防波堤で救出を持つ兵士たちの7日間
防波堤→→→→→駆逐艦が救出→→→→→→→船が沈没→→→→イギリス港に帰還
ダンケルクに救出に向かう民間船の1日
→→→→→ダンケルク出航→→→→→→兵士たちを救出→→→→イギリス港に帰還
戦闘機スピットファイアーとドイツ軍戦闘機の空中戦の1時間
→→→→→→→→戦闘機出動→海上に不時着→民間船が救出→→イギリス港に帰還
→→→→→→→→戦闘機出動→→→→→→→ダンケルクに不時着→ドイツ軍捕虜に

 

 

というような大雑把な出来事と時間の流れを経ながら、
救出作戦開始から「イギリスに帰還」というゴールを迎えるまで、
時間軸とその中心となる視点がめまぐるしく入れ替わります。
※左が救出作戦開始で右が救出作戦終了

 

 

もともと僕は集中力に欠けるところがありますので、
時間軸が行ったり来たりすると頭がパニックになってフリーズします。

 

 

オムニバスのように並行して時間が進んでいくならまだしも、
1週間と1日と1時間というようにバラバラにされたら、
描かれる移動時間の圧縮率も変わってくるだけにややこしくてややこしくて…

 

 

 

Dunkirk陸軍

 

 

ま、このあたりはクリストファー・ノーラン監督の成せる技で、
3つの物語を矛盾することなく結合させて、
エンディングポイントにランディングさせる手腕はお見事。

 

 

時間を巧みに操る魔術師ノーランが描く戦場という名の救出劇場。
集中力があって頭のいい人にはたまらないかもしれません。
でも、苦手な人には緊張感が途切れ途切れになって没入できません。

 

 

ネタバレ「ダンケルク」がつまらない3つの理由

 

 

乏しい物語性

 

2つ目の理由はドラマ性に欠くこと。

 

 

複数の視線が用いられることで誰にも感情移入する暇がなく、
また、敵軍であるドイツ軍は一切登場しないし、
兵士同士の友情とか、それに近い感情もほとんど描かれてません。

 

 

英国軍兵士と仏軍兵士に友情ごっこしてる暇なんてなかったかもしれはません。
戦争とはつまり生きるか死ぬかの極限状況であって、
そこに友情とかロマンスが芽生える余地なんて現実的には皆無でしょう。

 

 

フィクション要素で脚色したノンフィクションならともかく、
史実から搾り出したほぼ100%濃厚な真実のドラマだけにドラマ性がなく、
言い方を変えれば地味で平板で、ずっと起伏がない。

 

 

それゆえに最初から最後までテンションが上がることなく、
クライマックスというクライマックスもないままに終わっちゃう感じ。

 

 

ヒロインも出てこない男臭120%の男しかいない一本道。
一人くらいは「愛する人のために帰還する」的なドラマがあってもいいけど、
無意味な戦争で無数の名もなき兵士たちの命は無差別に犠牲となる。

 

 

個人個人の感情は削ぎ落とされ、

とにかく「生き抜け」を描いてるだけなんです。

 

 

ダイナモ作戦=ダンケルク大撤退は敗戦ではない。

 

 

「逃げることは恥ではない」
というメッセージもこの作品に含んでるんだと思います。

 

 

フィクションにすることで生まれる“ドラマ性”は逆に奇麗事で嘘臭く思えるから、
映画的にはつまらなくなっても作品としてはリアル戦争で良かったかもしれない。

 

 

 

Dunkirk船長

 

 

ただ、強いて言えば「勇気と団結のドラマ」とも言えるわけで、
ウィンストン・チャーチル首相が「武器よりも人命が大事」と考えたから、
救助された兵士たちが後に主戦力となってドイツ軍に勝利するという「歴史的真実」を知っていればダンケルク大撤退が戦局に与えた影響は大きかったです。

 

 

それがこの作品におけるマクロ的なドラマといえばドラマですが、
もっと親子とか兄弟、家族のドラマが1つくらい欲しかった。

 

 

それがないから“映画的体感アトラクション”とか言われちゃうわけで、
同じような「ゼロ・グラビティ」にはドラマがあったもん。

 

 

HIRO
イギリスでは危機的な状況をみんなで一致団結して乗り越えることを“ダンケルクスピリット”と言ったりするとか。

 

 

 

Dunkirk主役

 

 

ネタバレ「ダンケルク」がつまらない3つの理由

 

 

没入感がない

 

3つ目の理由としては巧みな演出と音響効果によって、
映画館が戦場アトラクションと化したのは素晴らしいんだけど、
ドラマ性が乏しいだけに没入感がないんです。

 

 

突然、戦場に放り込まれたような感覚にさせてくれるにしても、
登場人物に何かしら感情移入できなければただ口がポカーンとなるだけで、
心が追いついてこない。

 

 

陸海空それぞれで繰り広げられる緊迫した映像も迫力こそあれ、
一歩引いた立ち位置から俯瞰で見てるような感覚で、
目の前の状況に入り込めないんです。

 

 

「プライベート・ライアン」にはドラマがあったから、
終盤にかけての緊張感は息を呑むような没入感がありました。

 

 

「プライベート・ライアン」を超えたと評価するレビューも見かけますが、
リアルな戦争を追体験できるという意味では確かに僕も超えてると思います。
でも、繰り返しになるけど、ドラマとしては物足りない。

 

 

陸ではただ逃げて逃げて逃げてひたすら逃げて救出される。
空ではただ撤退作戦援護のために攻撃して攻撃して攻撃して最後は撃墜される。
海では救出するためにただ黙々と向かう向かう。

 

 

それだけ。

 

 

逃げるために乗り込んだ船は沈没したりもしますが、
どの場面も単調で、それでいて音響効果はどんどん煽ってくるんです。
そんなあたりが僕には前のめりに入り込めない作品でした。

 

 

 

Dunkirk空軍

 

 

トミーは病気の母親のためにも生きて帰らなきゃいけなかったとしたら…
民間船で死んでしまったのがドーソンの息子だったとしたら…
ファリアが捕虜になる道を選んだのはある理由が…

 

 

例えば、フィクションでもそんなドラマがあったら、
少しは盛り上がる要素が生まれたような気がしてなりません。
↑ま、これは所詮素人の考えることだけどね。

 

 

 

Dunkirk海軍

 

 

 「ダンケルク」の歴史的背景と不満

 

 

ポーランドに侵攻し勝利したドイツ軍はその勢いのままオランダ・ベルギー・ルクセンブルクに侵攻、フランスにも侵攻を開始した。イギリス軍がフランスを援護するために連合軍として参戦しますが、ドイツ軍は瞬く間に北部のダンケルクを包囲。イギリスのチャーチル首相は40万人の兵士にダンケルクから撤退するように命じました。この撤退作戦のコードネームがダイナモ作戦。
結果的に連合軍将兵34万人はイギリスへの脱出に成功したことから、人々の記憶にも史実にも残る歴史的撤退となりましたが、この作品ではダンケルクの少し西側に位置する港湾都市カレーにまったく触れられていないのは少し残念。ダンケルクでの戦いが熾烈を極める中、カレーに残っていた英国の中隊は撤退作戦を後方支援し、ドイツ軍を引きつける囮として役割を果たしていました。作戦終了後はそのまま置き去りとなって犠牲となった彼らこそダンケルクの英雄で、彼らの犠牲がなければダイナモ作戦は失敗していたかもしれないし、第二次世界大戦はドイツが勝利していたかもしれません。そんな重要なカレーを少しくらい扱ってほしかった。

 

 

Dunkirk map

 

 

「ダンケルク」の作品情報

 

 

原題:Dunkirk
監督脚本:クリストファー・ノーラン
音楽:ハンス・ジマー
製作国:2017年アメリカ/イギリス/フランス/オランダ
上映時間:106分
公開日:2017年9月9日(全米公開は2017年7月21日)
配給:ワーナーブラザーズ
出演者:
フィン・ホワイトヘッド(トミー/英国陸軍二等兵)
マーク・ライランス(ドーソン/民間船の船長)
トム・ハーディ(ファリア/英国空軍戦闘機スピットファイアのパイロット)
トム・グリン=カーニー(ピーター/ドーソンの息子)
ケネス・ブラナー(ボルトン海軍中佐/防波堤で撤退作戦の指揮を執る海軍将校)
ハリー・スタイルズ(アレックス/英国陸軍「高地連隊」の二等兵)
ジャック・ロウデン(コリンズ/英国空軍戦闘機スピットファイアのパイロット)
アナイリン・バーナード(ギブソン/トミーと行動を共にする無口な兵士)
ジェームズ・ダーシー(ウィナント陸軍大佐/絶対作戦を見守る陸軍将校)
バリー・コーガン(ジョージ/ドーソンに同行する青年)
キリアン・マーフィー(謎の英国兵/ドーソンに救出された英国兵)

 

 

クリストファー・ノーラン監督作品の常連であるマイケル・ケインがノンクレジットでファリアとコリンズを率いる英国空軍スピットファイア編隊の指揮官として声のみ出演。

 

 

アレックス役のハリー・スタイルズは世界的人気の高いイングランドのボーイズグループ、ワン・ダイレクションの最年少メンバーで、「ダンケルク」で俳優デビュー。

 

 

「ダンケルク」のあらすじ

 

 

第二次世界大戦初期、ドイツ軍の侵攻によってフランス北部の港湾都市ダンケルクまで追い詰められた英仏連合軍は撤退するしか術がなかった。英国陸軍の二等兵トミー(フィン・ホワイトヘッド)は所属する分隊がドイツ軍の銃撃で全滅したことから撤退作戦中のダンケルクの砂浜にたどり着くが、そこで彼は砂浜にて友軍の兵士を砂浜に埋葬していたギブソン(アナイリン・バーナード)という無口な兵士と偶然出会い、行動を共にすることにした。その頃、ダイナモ作戦によって小型船の徴用の命を受けた民間人のドーソン(マーク・ライランス)は息子のピーター(トム・グリン=カーニー)とピーターの知り合いで同行を志願するジョージ(バリー・コーガン)と共に英国兵士たちを救出するためにイギリスからダンケルクに向けて出港した。英国空軍のパイロットであるファリア(トム・ハーディ)とコリンズ(ジャック・ロウデン)はスピットファイア戦闘機で出動し、撤退作戦を妨害するドイツ空軍を攻撃。陸海空でドイツ軍の猛攻にさらされながらの戦闘が熾烈を極める中、ダンケルクに残された約40万人の兵士たちは祖国に帰るべく、わずかな数の救助船に乗ろうと奮闘するが…

 

 

「ダンケルク」の予告編

 

 

「ダンケルク」の予告編

 

HIRO
ただ、どうせ見るなら映画館の方がいいのは間違いない。しかも、IMAXなら通常40%カットされた上下の映像がフルサイズで見られるので、より体感できます。

 

 

 

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