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「嘘を愛する女」長澤まさみと高橋一生をつなぐもの!原作は実話小説?(嘘愛ネタバレあり)

嘘を愛する女

 

新たな才能あるクリエイターを発掘するコンペの初代グランプリ受賞企画を映画化した作品で、実際にあった事件の新聞記事に着想を得たミステリアスなラブストーリー。もしも愛する人のすべてを知り尽くしていたつもりが、名前も経歴も嘘だらけだったら…

 

長澤まさみと高橋一生をつなぐもの

 

 

女:そこ、苦手なんだって
男:知ってるよ

 

 

嘘を愛する女

 

 

二人が添い寝する場面がやけにエロい。
それこそaikoの名曲「カブトムシ」のごとく、
女性は女性特有の甘い匂いを放つ耳の後ろのホクロ付近を男が攻め立てる。

 

 

くすぐったいからやめてって心と裏腹な笑みを浮かべる彼女に、
「知ってるよ」と言いながらソフトなくちづけ。
甘えるような表情で寄り添う彼女を少し意地悪に受け止める彼の穏やかな表情。

 

 

生々しいほど二人の体温が伝わってくる感じがいい。

 

 

長澤まさみと高橋一生でなければ成立しなかった作品と僕は断言します。
これはもちろん二人の演技力ありきでもありますが、
長澤まさみと高橋一生が築いてきた関係性と距離感によるところも大きい。

 

 

それこそ、二人を長年かけてつないできたものが作品にプラスの影響を及ぼしてます。
エンディングで流れる主題歌は松たか子「つなぐもの」ですが、
その歌詞は劇中の二人の関係性が頭に浮かぶものであり、
愛する人を想う女性の胸の内がリアルに表現されてるんですよね。

 

 

話聞いてないね
声は聴いていたよ
でも、さみしさに名前つけたなら
それはそれで恋とおなじかもね
もしもきみのいない星
シーツに残る体温がさめても
どうか探し出して
駅まえの本屋で待ち合わせて道すがら
シャツのたたみ方あらそって
松たか子「つなぐもの」より引用)

 

 

「嘘を愛する女」主題歌の松たか子「つなぐもの」

 

 

そして、俳優としても二人は10年以上の付き合いとなる旧知の仲。
初共演は2004年の大ヒット映画「世界の中心で、愛をさけぶ」で、
高橋一生は森山未來のクラスメイトとして出演してました。

 

 

 

高橋一生と長澤まさみが共演した舞台「ライクドロシー」

 

ドコモ dTVのCM「ふたりをつなぐ物語」篇でも声の共演を果たしてます。

 

 

高橋一生と長澤まさみが声で共演したドコモ dTVのCM「ふたりをつなぐ物語」篇

 

 

嘘愛で変わりゆく心理行動(ネタバレあり)

 

 

最初に解禁となった予告篇はSF的で、
「正体不明の男性はもしかしたら宇宙人?」
…なんて飛躍した発想をしたくなるくらいミステリアスな映像でした。

 

 

少なくともラブストーリーとは到底思えない構成で、
何かしら事件に巻き込まれて素性が明かせない状況になったのか、
あるいは、もっと単純に結婚詐欺的なミステリーなんだと勝手に思ってました。

おどろおどろしいBGMはホラー映画かよって感じ。

 

 

刑事の嶋田久作が夜分遅くに突然訪ねてきて、
「身分証は偽造されたもの」
とか言われたら、確実にその男は事件絡みの逃亡犯だと思うやん。

 

 

次に公開された予告篇第2弾は完全にラブストーリーしていて逆にビックリ!
実際、ミステリーよりも恋愛色が強めの作品でしたけどね。

 

 

彼が遺した「嘘」を紐解いていく過程として、
最初は多忙を極めるあまり何も知らない嘘を愛する女だった彼女。

 

 

いつかどこかで自分でも気付かぬうちに大切なものを見失い、
無自覚のまま嘘を愛そうとする女に変貌し、
最終的には嘘を真実に変える女になっていたわけで、

 

 

真実を追求していくプロセスにおける彼女の変容が実に素晴らしい。

 

 

 

嘘を愛する女調査

 

 

「忙しい」とは「心」を「亡くす」とよく言いますが、
この作品はまさに仕事漬けの日々の中で気がつけば失くしていた大切なものを取り戻すために、一度立ち止まって二人で過ごした日々を振り返りながら、自分自身ともしっかり向き合い、自分の知らない未知なる過去とも目を背けずに向き合いながら、

 

 

何故に彼は嘘をつかなければならなかったのか?
二人で過ごしたハッピーな時間は本物だったのか?
あの生暖かい時間さえも偽りだったのか?

 

 

確かめる旅に出るロードムービーのような恋愛物語になってるんです。
新聞記事の実話から着想を得たというからすごい。

 

 

 

原作は?

 

 

27年前に「夫はだれだった」という実際にあった事件の新聞記事があり、
辻仁成がその事件を題材にしたエピソードを綴ったエッセイを当時高校生の中江和仁監督が読んで釘付けになったことが発端。

 

ある男性が病気になりながらも病院には行こうとせず、

どうにも不思議で不可解に感じた内縁の妻がその男の素性を調べたところ、

名前はおろか、すべてが嘘だったという驚愕の真実が…。

 

 

その男性は病状が悪化して亡くなるのですが、
遺品の中から未完成の小説(原稿)が見つかるんですね。

 

 

辻仁成は自分の過去を消し続けていた男が小説という「もう一つの世界」を書いていたことに、作家として興味、共感するものがあったとか。
中江監督もなぜ男性は嘘をついていたのか、なぜ小説を書かねばならなかったのか知りたくなったことでこの企画が生まれ、グランプリを受賞して脚本化、映画化されました。

 

 

 

 

 

 

 

「嘘を愛する女」の予告篇

 

 

「嘘を愛する女」の予告篇

 

嘘愛のよくなかったところ

 

 

あまりにうまく出来過ぎな脚本は映画的フィクションとしても容認できず、
東北大震災でなくたってゲリラ豪雨でもなんでも帰宅難民であれば良かったわけで、
あえて東北大震災にするところの意図がなんかいやらしい。

 

 

都会の雑踏の中でフラフラになりながら今にも倒れそうな主人公の由加利。
誰も彼もが急ぎ足で気にも止めずにすれ違いながら、
一人の男性が「大丈夫ですか?」と声をかけてきたのがすべての始まりでした。

 

 

“小出桔平”と名乗るその男性は由加利をその場で介抱して落ち着かせ、
彼女の足元に目をやると高いヒールでは動きづらいだろうと察し、
自分が履き潰したボロボロのスニーカーを彼女に渡して去っていくわけで…。

 

 

 

嘘を愛する女出会い

 

 

震災後で他人に構う余裕なんて誰にもない状況下で、
さらっとやってのけるこの過剰な行為はさすがにやり過ぎちゃう?

 

 

研修医だから無意識に手が出るというのならカッコよすぎてまだ納得もしますが、
フツーの男にはできっこない。

 

 

自意識過剰で強がりなキャリアウーマンほど仕事が上手くいかない苛立ちと焦燥感で弱り切った心はスキだらけで警戒心が薄れるもの。

 

 

でも、こんなシチュエーション、ある!?

 

 

いくら弱っていても「男の情」はクソくらえ的なもんでプライドが許さず、
その行為を「男の優しさ」なんて思わない気がするんだけど、
彼女は靴下のまま去り行く男の後ろ姿が焼き付いて離れなくなるんだよね。

 

 

なぜそんな男を好きになったのかがよくわからない。

 

 

ま、人を好きになるのって理屈ではなく感覚的なものだろうから、
直感で何かビビっとくるものがあったのかもしれないし、
その相手が小出桔平であることは運命の必然だったと受け止めるしかないか。

 

 

出会いのシチュエーションとしてはセレンディピティ(=幸福な偶然)なんだろうけど、全然さりげなく思えない桔平の優しさは女性にとってどうなんだろう?

 

 

何のアテもなく「夕方になればろうそくのように見える灯台」だけを手がかりに瀬戸内に渡るというのも無謀なら、核心に至るまで意外に呆気なかったのもやや物足りなく思えました。

 

 

移ろいゆく由加利の心を丁寧に描いていたのは良かったけどね。
必死で嘘から真実を探し出そうとする過程における変化は秀逸でした。
個人的に最もよくなかったのは「嘘」をついた理由かな。

 

 

 

嘘を愛する女瀬戸内

 

 

 

嘘をついた理由(ネタバレあり)

 

 

注意
結末に触れてますので未見の方は読まないでください。

 

 

仕事人間の桔平は家庭を省みる時間的余裕がなく、
生まれたばかりの幼児もほったらかしで奥さんとの会話もない。
その結果、孤立した奥さんは育児ノイローゼとなって無理心中を図りますが、
死に切れなかった自分は泣き崩れるように家を飛び出したところで車に轢かれて事故死しちゃうわけです。

 

 

残された夫の桔平は全部自分の責任だと心を痛めながら、
かといって、自分では何もすることができない無力感に苛まれながら、
自分を知る人が誰もいない東京という大都会の雑踏にまみれてひっそりと暮らすことにしたんです。

 

 

名前も経歴もすべて偽って…
この理由にもう少しひねりの効いたパンチがほしかった。
すごく大事な部分なのに、その過去を隠す必要もあまり感じられませんでした。

 

 

実際自分を偽る人たちはおそらく誰にも知られたくないようなもっと想像を絶する過去を封印しながら過ごしていて、指名手配犯だって人に姿を見られたら終わりという壮絶な人生を送っていて、比較するのはナンセンスだけど、嘘をついた理由としては弱かったなー。

 

 

新聞記事では「母子が無理心中」「夫は消息不明」となってましたが、
その過去も心中させた罪も全部全部背負いながら、
それでも嘘偽りなく正直に生きていても良かったんちゃう?
ま、それなら映画にならないか。

 

 

そのすべて真実。
どうあってもそこは変わらないもんね。

 

 

 

嘘を愛する女 大切なもの

 

 

くも膜下出血で倒れて昏睡状態のままベッド上で寝たきりの桔平。
真実を受け入れて桔平と過ごす決意をした由加利が看病を続けていたある春の日。
二人に訪れる光明の兆しには涙が止まりませんでした。

 

 

 

「嘘を愛する女」の作品情報

 

監督:中江和仁
音楽:富貴晴美
主題歌:松たか子「つなぐもの」
公開日:2018年1月20日
上映時間:117分
製作国:2018年日本
制作プロダクション:ROBOT
配給:東宝
出演者:
長澤まさみ(川原由加利/世間の注目を浴びるキャリアウーマン)
高橋一生(小出桔平/由加利と同棲中の恋人)
吉田鋼太郎(海原匠/バツイチの元警察官で今はしがない私立探偵)
DAIGO(木村/海原の助手で天才的ハッカー)
川栄李奈(心葉/バイト先の常連客である桔平を一途に愛する女子大生)
黒木瞳(マサコ/瀬戸内で営む飲み屋の女将)
野波麻帆
初音映莉子
嶋田久作(小出桔平の身元を追う刑事)
奥貫薫(海原の元妻)

 

優秀なクリエイターを発掘することを目的としたコンペ「TSUTAYA CREATERS’PROGRAM FILM 2015」のグランプリ受賞作品。
CMディレクターが本業の中江和仁監督はこの作品が長編デビュー作。
「残花繚乱」で知られる岡部えつが手がけたノベライズ小説も刊行されてます。
TBSが2015年1月~3月に木曜ドラマ枠で田中麗奈主演、
「美しき罠~残花繚乱~」というタイトルで連続ドラマにもなりました。

 

「嘘を愛する女」のあらすじ

 

食品メーカーに勤務するキャリアウーマンの川原由加利(長澤まさみ)は仕事では“ウーマン・オブ・ザ・イヤー”を受賞する成功を収め、プライベートでは優しい研修医の恋人、小出桔平(高橋一生)と同棲して5年になる幸せな日々を送っていた。ところが、母親に会うという大事な約束をすっぽかした桔平。自宅に戻って彼の帰りを待っていた由加利の前に現れたのは警察官で、桔平はくも膜下出血で倒れ、それだけではなく所持していた運転免許証も医師免許証もすべて偽造されたものだと告げられてしまう。病院に向かうとそこには昏睡状態の桔平が…。名前も職業も「嘘」だと知って大きなショックを受けた由加利は真実を突き止めるために私立探偵の海原匠(吉田鋼太郎)を雇い、桔平が明かさなかった本当の真実を探ろうとするが…。

 

 

HIRO
表情の変化だけで心情を語る長澤まさみと高橋一生、映画映えする川栄李奈、一服の清涼剤的役割の吉田鋼太郎。予想以上に面白くて引き込まれました。

 

 

嘘を愛する女 川栄李奈

 

「嘘愛」予告篇(ラブストーリー的なバージョン)

 

「嘘を愛する女」の予告篇(ラブストーリー的なバージョン)

 

HIRO
公園のブランコでの会話は重要な伏線です。

 

 

嘘を愛する女 夜のブランコ

 

「嘘を愛する女」の興行収入は?

 

ファーストランは全国285スクリーンで公開され、
週末2日間のオープニング興行収入は1億6,000万円を記録しました。
2週目の興行収入は-32.8%で1億0500万円でした。

 

観客動員数は11万7,000人から7万5,000人に減ったことも大きいですが、
2週目終了時点で累計興行収入は4億3,000万円ほど。
このまま推移すれば最終的に10億円に届きそうにないラインです。

 

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