ただいまリニューアル中/お見苦しくてすみません。

映画「ゴールデンスランバー」は歌詞の意味に涙する!韓国リメイクも決定した秀逸な人間ドラマ。

ゴールデンスランバー

 

伊坂幸太郎の本屋大賞受賞作を中村義洋監督が映画化したこの作品は斉藤和義の音楽も最高♪暗殺犯という濡れ衣を着せられたことから始まる逃亡生活を通して「人生で大切なものは何か?」を学ぶヒューマンドラマ。

伊坂幸太郎原作×中村義洋監督×斉藤和義音楽

 

これ以上ないくらいの最強コラボが紡ぎ出す大逃亡劇であるこの映画。
本屋の店員が選ぶ2008年の本屋大賞を受賞した伊坂幸太郎の人気小説が原作で、
「このミステリーがすごい!」の2009年版1位に選ばれたミステリー。

 

過去に「アヒルと鴨のコインロッカー」と「フィッシュストーリー」の2作を映画化した中村義洋監督作品なんですが、
過去の2作と同様、あちこちに張り巡らされた伏線の回収がお見事で、
意味ありそうで意味なさそうな何気ない場面にもちゃんと意味を持たせてるから、
見終わっしているた後に必ずもう1回見たくなるんですよね。

極私的リピートしたくなる伊坂幸太郎映画ベスト3

 

  • アヒルと鴨のコインロッカー
  • ゴールデンスランバー
  • ポテチ

 

ただ、毎度のことながら、
伊坂幸太郎の映画は何を書いてもネタバラになるから何も書けないんだけど、
でも、書きたいことがたくさんあるから困っちゃうんだよなー。

とにかくクライマックスからラストにかけてはもうボロボロ泣けるもん。
ギリギリでネタバラにならない程度にとりあえず僕的お気に入りの場面をキーワードにしていくつか挙げてみました。

 

 

ゴールデンスランバー

 

カローラ
お父さん
痴漢
打ち上げ花火
キス
親指
たいへんよくできました

 

「ゴールデンスランバー」の歌詞に込められた意味

 

Once there was a way
To get back homeward
Once there was a way
To get back home
(ビートルズ「Golden slumbers」より)

 

ミステリーサスペンスのカタチを借りた友情と絆の人間ドラマで、
つまりはタイトルでもあるビートルズの最後のアルバム「アビイロード」に収録された名曲「ゴールデンスランバー」なんですよね。

かつては誰の心にもちゃんとあったはずの“帰る場所”が、
いつしか故郷に帰るための道のりを見失い、
やがて自分にはそんな場所があったのかどうかさえ分からなくなる…。

でも、そんな場所が“彼ら”の心の中には今でもしっかりと根っこの部分にあるんです。
それは学生時代の気の置けない親友との友情であったり、
親と子の揺るぎない愛情であったりして、

「信頼」という唯一にして最大の武器でつながってるから、
今ではほとんど接点がなくたって、
彼らは今でもお互いの絆を信じ合えるんですよね。

 

ゴールデンスランバー吉岡

 

ゴールデンスランバー=黄金のまどろみ

 

もし親友の存在がなければ…。
何も言わなくても、何も分からなくても信じてくれる、
誰よりも息子のことを“知ってる”お父さんの言葉がなければ…。

青柳(堺雅人)は逃亡生活を観念して捕まったでしょう。

でも、彼には帰るべき場所があったからこそトコトン逃げて、
どんなに追い詰められた状況にあっても必死で生き延びようとしました。

人を信じる力がどれほど強く大きなものか…。
その大きさを知った瞬間、不意に涙があふれてきました。

自分を信じてくれる人たちがいたからこそ、
青柳は逃亡生活を送りながら束の間でも微睡むことができたわけで、

それがなければいつどこで警察に捕まるか分からない極限の状況下では安心して眠る時間さえ全然ないわけだから、
心の底から人を信じることができるのって、
黄金のようにピカピカに輝くほど貴重で価値のあるものなんでしょうね。

 

ゴールデンスランバー=黄金のまどろみ

 

心から安らげる微睡(居眠り)は逃亡中の身においてはとても貴重で、
少しでも心地よく眠ることができたのはかけがえのない存在があったからこそ。
人を信じることが何よりも大切なんだと改めて痛感します。

 

ゴールデンスランバー

 

イメージは作られる

 

それにしても怖いのはマスコミですね。
青柳は2年前に配達先でたまたま強盗に襲われたトップアイドルを助け出したことから、
一夜にして“時の人”になりました。

そうやって一般ピーポーを持ち上げたのがマスコミなら、
正義のヒーローから首相暗殺犯への凋落としてトコトン叩き潰すのもマスコミ。

ただ都合良く好き勝手にヒーロー像を作り上げられ、
そんな作られたヒーロー像が今度は一方的にいかにも首相暗殺しそうな犯人像に塗り替えられることの恐怖。
こんなイメージ作りが自分たちの手の届かないところで知らぬ間に行われるだけにタチが悪い。

ニュース番組もワイドショーもワケ知り顔で青柳という人間を面白おかしく使い捨てにしますが、もっと怖いのはマスコミによって犯人と決め付けられたことで、

「犯人に違いない」
「この男ならやりそう」

…なんて世間にまで思わさせること。
どこにでもいるような平凡で善良な一市民が巨大な力で凶悪なテロリストにされちゃうんだからたまったもんじゃないですよ。

そんな状況下にあっても青柳の人となりを知る人たちは彼が暗殺事件をやったかどうかではなく、
アイドルと「やったの?」なんて質問ばかりするんだから、
なんとも救われるような微笑ましさ。

でも、最も怖いのは世間からのバッシングではなく、
目に見えないところで暗殺にまつわる情報を操作してる権力者の存在だけどね。

メディアを意図的にコントロールできるほど絶大な権力がこの世界を支配するのは恐怖以外の何者でもないかな。
そう遠くない未来にはそんな事件が当たり前になりそうでまた怖い。

 

ゴールデンスランバー

 

この映画の名言
「自分が思い出してる時は他のみんなもそのことを思い出してるんだよ」

 

素晴らしき友も、
懐かしき人も、
愛すべき家族も、

同じ時間を過ごした仲間はみんな同じ瞬間を共有してきたわけで、
自分だけが苦しいわけではない。
きっとみんな今この瞬間もともに苦しんでるだろうし、
ともに楽しみ、ともに喜び、ともに悲しみ、ともに泣いてくれる仲間の存在がいることで「一人じゃない」と思えるのは心強い。

「不様でもいいからとにかく生きろ」
勇気づけられる森田のこのセリフもお気に入り。

 

「ゴールデンスランバー」の作品情報

 

原作:伊坂幸太郎
監督:中村義洋
音楽:斉藤和義
主題歌:斉藤和義「Golden Slumbers」
エンディングテーマ:斉藤和義「幸福な朝食 退屈な夕食」
製作国:2009年日本
上映時間:139分
公開日:2010年1月30日
配給:東宝
興行収入:11億5,000万円
出演者:
堺雅人(青柳雅春/総理大臣暗殺の濡れ衣を着せられる主人公)
竹内結子(樋口晴子/青柳雅春の大学時代の恋人)
吉岡秀隆(森田森吾/青柳雅春の大学時代の親友)
劇団ひとり(小野一夫/青柳雅春の大学時代の後輩)
濱田岳(キルオ/二年前に仙台で起きた連続刺殺事件の犯人)
渋川清彦(岩崎英二郎/青柳雅春の職場の上司)
柄本明(保土ヶ谷康志/青柳雅春の逃亡を手助けする入院患者)
ベンガル(轟静夫/花火工場を経営する社長)
大森南朋(樋口伸幸/樋口晴子の夫)
貫地谷しほり(凛香/青柳によって暴漢から助け出された元トップアイドル)
相武紗季(井ノ原小梅)
香川照之(佐々木一太郎/総理大臣暗殺事件の指揮を執る捜査員)
ソニン(鶴田亜美/小野一夫の恋人)
でんでん(児島安雄/巡査)
滝藤賢一(青柳雅春/整形後の青柳雅春)
伊藤ふみお(金田貞義/国民に人気の高い現職の総理大臣)
北村燦來(樋口七美/晴子の4歳の娘)
鈴木福(鶴田辰巳/亜美の息子)
安藤玉恵(岩崎美千代/岩崎英二郎の妻)
岩松了(謎の整形外科医※声のみの出演)
木内みどり(青柳照代/雅春の母)
伊東四朗(青柳平一/雅春の父)
竜雷太(宮城県警本部長)

MEMO
今から見れば鈴木福くんとか滝藤賢一なんてブレイクする全然前。
伊藤ふみおは元KEMURIのボーカリスト。

 

「ゴールデンスランバー」のあらすじ

 

平凡な一市民である宅配便ドライバーの青柳雅春(堺雅人)は仙台市内で野党初となる首相の凱旋パレードが盛大に行われる最中、久しぶりに再会した大学時代の友人、森田森吾(吉岡秀隆)から唐突に「おまえ、オズワルドにされるぞ」「逃げろ!」と忠告された。意味が分からずに問い質した次の瞬間、近くで大きな爆発音がしたかと思えば駆け寄ってきた警察官が自分に向けて躊躇なく発砲してきたことで、意味が分からないままその場からなんとか逃げ出すが、自分の知らないところでまったく身に覚えのない首相暗殺事件の犯人に仕立て上げられていた彼は無実を証明する術もなく、厳戒態勢の敷かれた仙台市内で執拗に追跡してくる捜査員から必死で逃走するが…。

 

「ゴールデンスランバー」の予告篇

 

「ゴールデンスランバー」の予告篇

 

「ゴールデンスランバー」が韓国でリメイク!

 

仙台ではなくとしてソウル光化門(クァンファムン)で発生する事件。
総理大臣ではなく大統領候補の暗殺犯に仕立てられ、
追われる主人公を手助けするのは大学ではなく高校時代の友人たち。

おおまかなストーリーはほぼそのままに、
堺雅人が演じた逃亡者を人気俳優のカン・ドンウォンが演じ、
監督は2008年公開の「俺たちの明日」で知られるノ・ドンソクが務めます。

 

「誰も信じないで。そして必ず生き残って」
「証拠は操作され、容疑者は作られる」
「今日、あなたもターゲットになりうる」

 

これらの韓国版キャッチコピーだけでも心惹かれますが、
こんなことが普通にあったら、
世の中、誰も信じられんようになりますよね。

共演にはキム・ウィソンやハン・ヒョジュ、キム・ソンギュン、キム・デミョが名を連ねていて、追う者と追われる者の緊張感がハンパない。
とくにソウルの真ん中で繰り広げられた逃走シーンは手に汗握る興奮モノ。

「ゴールデンスランバー」は韓国では2月14日に封切られましたが、
日本でも早く韓国リメイク版が見たいところです。
「鍵泥棒のメソッド」の韓国リメイク版「ラッキー/Luck Key」も期待以上でしたからね。

 

 

予告篇よりも3部構成にしたハイライトの方がイメージしやすいかな。

#1 FLEETING (束の間)
#2 CONFLICT(葛藤)
#3 CONSPIRACY(陰謀)

トップアイドルを助け出したヒーローから一転して大統領暗殺犯に仕立てられ、
巻き込まれた友人たちは困惑しながらも彼を無実を信じて疑わず、
事件の裏にはある組織が企む陰謀が…って感じ。

カン・ドンウォンがどのように逃亡犯を演じるか楽しみでなりません。

 

ゴールデンスランバー 韓国リメイク カン・ドンウォン

 

社会が裏切った瞬間、僕を信じてくれた友人たちがいた

 

「ゴールデンスランバー」の結末は?(ネタバレあり)

 

注意
ここから先は結末に触れてますので未見の方は自己責任でお願いします。

 

デパートのエレベーター内で操作パネルの前に立つ青柳。
奥には偶然その場で居合わせた晴子と娘(と夫)の姿がありました。
この、ほぼ同じシチュエーションが映画冒頭とエンディングにあるんですね。

冒頭では伏線として青柳はすぐに晴子だと気づいてるんだけど、
晴子はただの通りすがりくらいにしか思ってないような感じなんです。

でも、エンディングでは青柳だとハッキリと認識してました。
整形して顔が変わってるにもかかわらず…です。

先にエレベーターを出た晴子らを目で追いながらゆっくりと外に出た青柳。
しばらくして駆け寄ってきた晴子の娘が青柳の手の甲にスタンプを押すんです。
「たいへんよくできました」って花丸で印字されたスタンプ。

それは二人にとって思い出の、しるし。

なんとも心温まるシーンでそのままエンディングテーマが流れ、
ほっこりした気分で当時、映画館を後にしました。

 

HIRO
ビックリした!?

 

MEMO
オール仙台ロケで撮影されたこの作品は2011年3月11日にフジテレビ系で地上波初放映される予定でしたが、東北大震災によって延期。その後、10月にオンエアーされました。

 

「ゴールデンスランバー」の舞台

 

「ゴールデンスランバー」は演劇集団キャラメルボックスによって2016年に舞台化もされました。
これはすごく見たかったんだけど、タイミングが合わず。
キャラメルボックスは「ナミヤ雑貨店の奇蹟」や「アルジャーノンに花束を」「流星ワゴン」「無伴奏ソナタ」「時をかける少女」など国内外の有名小説を舞台することが多いので、
基本的には見に行くんだけど、最近は行けてないなー。

 

ゴールデンスランバー キャラメルボックス

 

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